Saturday, September 27, 2008

Evening Lecture Kyoto October the intersection of PHOTO

「写真の余白に」第4回(全4回)

『心霊写真のBefore/After』

2008.10.10(金)20:00-21:30@MEDIA SHOP

Charge 1,000円(学生)/1,500円(一般)with 1drink

講師:前川修(マエカワ オサム)/神戸大学人文学研究科

■心霊写真のBefore/After■

心霊写真の「怖さ」の由縁はどこにあるのだろうか?

それは、写真の向こうの幽霊にあるのか、それとも霊の因縁の物語にあるのか?…だが、心霊写真の怖さは実はそうしたところにはない。心霊写真の「かたり」において見逃されている怖さはむしろ、写真の「幽霊的」存在とでもいうべきものなのである。

そしてそれは、写真論の核をなしているのかもしれない。

このレクチャーでは、まず、心霊写真、そして心霊写真映像の系譜をその起源から1970年代までたどり、写真論の核が心霊写真論にあることを確認する。また、現在、異なる装いのもとで新たに姿を現しつつある心霊動画やJホラー、その写真的眼差しを切り出してみたい。

当日は、『心霊写真は語る』(一柳廣孝 編、2004、青弓社)を1割引にて販売します。


■前川 修(マエカワ オサム)

京都大学大学院修了。写真論。視覚文化論、芸術学。現在、神戸大学人文学研究科准教授。著書に『痕跡の光学―ヴァルター・ベンヤミンの「視覚的無意識」について―』(2004/晃洋書房)、共訳にジル・モラ『写真のキーワード―技術、表現、歴史―』(2001/昭和堂)ほか、「パノラマとその主体」など。関西を中心に活動する写真研究会に参加。


■申し込み・問合せ

メディアショップ event@media-shop.co.jp

tel.075-255-0783

講座のご予約、内容に関してのご質問等は上記のアドレスまでお送りください。

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Monday, September 22, 2008

Evening Lecture Kyoto September the intersection of PHOTO

「写真の余白に」第3回(全4回)

『異像と徴候―ステレオ写真と身体動作―』

2008.9.26(金)20:00-21:30@MEDIA SHOP

Charge 1,000円(学生)/1,500円(一般)with 1drink

講師:細馬宏通(ホソマ ヒロミチ)/滋賀県立大学人間学部准教授

■異像と徴候―ステレオ写真と身体動作―■

19世紀に発明されたステレオグラムは、人の視覚体験に大きなインパクトを与えました。二つの映像を見ると、そこにはない立体の映像が見える。それは、映像でも網膜像でもない視覚が、人の頭の中で形成されていることを、意味していました。なぜ、二つの異なる映像から、そこにはない、さらに別の映像が頭に浮かぶのか。この不思議な現象にとりつかれたであろう人々は、ただ二枚の絵から立体像を浮かび上がらせるだけでなく、さまざまな異像を左と右の眼へとぶち込み、そこから生まれる複雑な視覚体験を楽しむようになりました。周到に作られた立体写真が頭の中に立体を生むのに対し、異像は、頭の中で設えられた空間に収まらない位置に現れ、空間を揺らし、運動を引き起こします。それは、この世に収まらない何者かの現れとして感じられます。
このレクチャーでは、19世紀以降の異像の系譜を追いながら、人々を魅了し続ける異像の魅力について、考察します。

■細馬宏通(ホソマ ヒロミチ)

滋賀県立大学人間文化学部准教授。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士:動物学)。

ジェスチャー分析、会話分析、視聴覚文化研究などにたずさわる。

著書『絵はがきの時代』(青土社)、『絵はがきのなかの彦根』(サンライズ出版)他多数。


■申し込み・問い合わせ

event@media-shop.co.jp

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■Evening Lecture Kyoto:シリーズ「写真の余白に」■

【終了】 8月29日(金)「写真と指紋」

講師:橋本一径(ハシモト カズミチ)指紋研究、表象文化論。

【終了】 9月12日(金)「風景と転地―場所とイメージをめぐって」

講師:佐藤守弘(サトウ モリヒロ)滋賀県立大学人間文化学部

【予約受付中!!】10月10日(金)「心霊写真のBefore/After」

講師:前川修(マエカワ オサム)神戸大学人文学研究科准教授

講座の予約、内容に関しての御質問などは上記メールアドレスまでお送りください。

皆様の御参加をお待ちしております!

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Monday, September 8, 2008

Evening Lecture Kyoto August the intersection of PHOTO「写真の余白に」(全4回)

「写真の余白に」第2回(全4回)

『風景と転地―場所とイメージをめぐって』

2008.9.12(金)20:00-21:30@MEDIA SHOP

Charge 1,000円(学生)/1,500円(一般)with 1drink

講師:佐藤守弘(サトウ モリヒロ)

■風景と転地―場所とイメージをめぐって■

「風景」を見て楽しむということは、実はそんなに昔からあるものではなく、たいへん近代的なことだと言われている。端的に言えば、風景とは、自然を「見られる対象」として額縁に押し込めることによって、人間を「見る主体」として成立させる認識のシステムであると考えられる。それは、ヨーロッパの幾何学的遠近法と深く関わり、そして帝国主義の時代にいわば最盛期を迎えたものと言ってもよいだろう。そしてそれは、今や何となく古くさく、そして陳腐なものとなってしまっている。

本レクチャーでは、風景を楽しむという風習がどのように成立したのかを、まず19世紀における旅行写真の隆盛を検証することによって考えてみたい。旅行写真とは、世界中の風景や人々を写した写真のことで、ヨーロッパの受容者に世界の情報を伝える役割を果たしたものである。それは、18世紀来のピクチャレスク美学や、近代的科学としての地理学の成立と深く関わりを持ち、また博覧会や観光旅行とともに、世界を可視化するというプロジェクトの一端をなしていた。すなわち、世界を風景として見る装置である。

言い換えれば旅行写真とは、非ヨーロッパ世界を「見られる対象」とすることによって、近代ヨーロッパを「見る主体」として確立するための装置であったと考えられよう。とはいえ、「機会の眼」である写真というメディアは、時に人間の作り上げた風景というシステムを裏切ってしまうことがある。

本レクチャーの後半では、そうしたほころびを、「転地(displacement)」という概念をキーワードとして考えてみたい。

■佐藤守弘(サトウ モリヒロ)

1966年生まれ。同志社大学大学院退学。芸術学、視覚文化論。現在、京都精華大学デザイン学部准教授。
論文に、「<オールド・ジャパン>の表象―横浜写真と19世紀後半の視覚文化」(『文化学年報』52輯)など。第7回重森弘淹写真評論賞受賞。関西を中心に活動する写真研究会に参加。

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■Evening Lecture Kyoto:シリーズ「写真の余白に」■

終了 8月29日(金) 「写真と指紋」

橋本一径(ハシモト カズミチ)指紋研究、表象文化論。

■9月26日(金) 「異像と徴候―ステレオ写真と身体動作―」

細馬宏通(ホソマ ヒロミチ)滋賀県立大学人間文化学部

■10月10日(金) 「心霊写真のBefore/After」

前川修(マエカワ オサム)神戸大学人文学研究科准教授

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